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RAID

以下では、LaCie 5big Thunderbolt 2 で利用可能な RAID モードについての基本的な説明を行います。 パフォーマンスとデータ保護のレベルは、ボリュームに含まれるハード ドライブ数によって異なることに注意してください。 RAID の構成手順については、『LaCie RAID Manager ユーザー マニュアル』を参照してください。

RAID の例

RAID のレベルは、ディスクの数に依存します。 たとえば、4 つのディスクを持つボリュームは RAID 1 を除くすべてのレベルの RAID をサポートします。RAID 1 は 2 つより多いディスクを持つボリュームとは互換性がありません。 4 つのハード ドライブを持つボリュームで比較すると、100% のストレージ容量を使用でき、高いパフォーマンスを実現する RAID 0 が最適の選択肢のように見えます。 しかし、RAID 0 ではハード ドライブに障害が発生したときデータが保護されないという大きな弱点があります。 さらに、RAID 0 のパフォーマンスは RAID 5 と比較してそれほど優れているわけではなく、RAID 5 では1 つのハード ドライブに障害が発生した場合もデータが保護されます。 RAID 6 と、特別の場合には RAID 10 では、2 つのハード ドライブに障害が発生した場合にデータが保護されます。

RAID レベル

LaCie 5big ストレージの構成を選択する前に、各 RAID の概要を参照してください。

RAID モード ハード ドライブの最少数
RAID 0 2
RAID 1 2
RAID 5 3
RAID 6 4
RAID 10 4

 

RAID 0

RAID 0 はデータをボリュームのすべてのハード ドライブにわたって書き込むため、最も高速な RAID モードです。 さらに、各ディスクの容量が合計され、データ ストレージの効率も最高になります。 ただし、RAID 0 には非常に重要な機能であるデータ保護が欠けています。 1 つのハード ドライブに障害が発生すると、すべてのデータがアクセス不能になります。 RAID 5 は次の機能を提供するため、推奨されるオプションです。

  • RAID 0 に近いパフォーマンス
  • RAID 構成内に含まれるすべてのハード ドライブの約 75% のストレージ容量
  • 1 つのハード ドライブに障害が発生した場合のデータ保護

 

RAID 1

RAID 1 ではすべてのデータがボリューム内の各ディスクに同時に書き込まれるため、データ セキュリティが強化されます。 単一のディスクに障害が発生しても、ボリューム内の他のディスクでデータが利用可能な状態に維持されます。 ただし、データを何回も書き込むための時間がかかるため、パフォーマンスは低下します。 また、RAID 1 ではデータのすべてのビットがボリューム内の両方のディスクに格納されるため、ディスクの容量が 50% 以上減少します。

 

RAID 5

RAID 5 ではボリューム内のすべてのハード ドライブにわたってデータが書き込まれ、各データ ブロックについてパリティ ブロックが書き込まれます。 1 つの物理ハード ドライブに障害が発生しても、故障したハード ドライブのデータを代替のハード ドライブに再構築できます。 RAID 5 ボリュームに格納されているファイルは、1 つのハード ドライブに障害が発生しても破損せず保持されますが、代替のハード ドライブで RAID が再構築される前に 2 つ目のハード ドライブに障害が発生した場合、データが消失することがあります。

RAID 5 ボリュームを作成するには、最低 3 つのハード ドライブが必要です。

RAID 5 では、RAID 0 に近いパフォーマンスが得られます。 RAID 5 の大きな利点は、データ保護が得られることです。 さらに、RAID 0 アレイの約 75% のストレージ容量が得られます (利用可能なハード ドライブの合計容量とストレージ容量に基づいて)。 ストレージ容量は (アレイ内で最も容量の小さいハード ドライブのサイズ) * (ハード ドライブの数 - 1) の式で計算できます。

例 1: 3TB のハード ドライブが 5 つ割り当てられているアレイでは、合計容量は 15TB で、 計算式は 3TB * 4 = 12TB です。

例 2: 2TB のハード ドライブが 3 つ、3TB のハード ドライブが 1 つ割り当てられているアレイでは、合計容量は 9TB で、 計算式は 2TB * 3 = 6TB です。

 

RAID 6

RAID 6 ではボリューム内のすべてのディスクにわたってデータが書き込まれ、各データ ブロックについて 2 つのパリティ ブロックが書き込まれます。 1 台の物理ディスクに障害が発生しても、データは代替のディスク上に再構築できます。 データ ブロックごとに 2 つのパリティ ブロックがあるため、RAID 6 では最高 2 つのディスクに障害が発生してもデータが消失しません。 RAID 6 では二重のパリティが使用されるため、障害が発生したディスクからの同期は RAID 5 よりも低速になります。 しかし、二重のディスク セキュリティにより、重大性ははるかに低くなります。

RAID 6 ボリュームを作成するには、最低 4 つのディスクが必要です。 RAID 6 はデータ保護に非常に優れており、RAID 5 と比較してパフォーマンスはわずかしか低下しません。

 

RAID 10

RAID 10 は、RAID 1 のデータ保護と RAID 0 のパフォーマンスを両立させたものです。 たとえば 4 つのディスクを使用する場合、RAID 10 では 2 つの RAID 1セグメントを作成してから、それらが RAID 0 ストライプとして組み合わせられます。 この構成によって非常に優れたデータ保護が得られ、2 つの RAID 1 セグメント間で 2 つのディスクに障害が発生してもデータは保護されます。 さらに、RAID 10 ではファイル レベルでデータが書き込まれ、RAID 0 のストライプにより、小さなファイルを大量に管理するとき、さらに優れたパフォーマンスが得られます。 すなわち、毎秒のデータ入出力 (IOPS と呼ばれます) がより多くなります。

RAID 10 は、大量の小さなファイルをボリュームのディスク全体にわたって読み書きする必要があるデータベース管理者に最適な選択肢です。 RAID 10 は IOPS とデータ保護が非常に優れているため、データベース管理者はファイルの安全確保と高速なアクセスの両方について優れた信頼性を得ることができます。

 

RAID 5+Spare および RAID 6+Spare

RAID+Spare ボリュームでは、ハード ドライブに障害が発生した場合に直ちにデータを同期するために使用可能な “ホット スペア” が用意されています。 ボリューム内のハード ドライブに障害が発生した場合、スペアとの間でデータの同期が開始されます。 スペアを持つ RAID ボリュームには、代替ハード ドライブを待つ必要がないという明確な利点があります。 ただし、スペアはハード ドライブに障害が発生したときの代替専用として扱われるため、通常の動作中はストレージとして使用できません。

障害が発生したハード ドライブはただちに交換可能で、同期の完了後には新しいホット スペアとして割り当てることができます。

重要な情報: RAID+Spare ボリュームでは、単一のハード ドライブに障害が発生した場合にもデータは安全に保護され、スペアにより自動的に同期が開始されます。 ただし、同期の完了前に RAID 5 ボリューム内の 2 つ目のハード ドライブに障害が発生した場合、ボリュームのすべてのデータが消失します。 これは、RAID 1 ボリュームについても同じです。 RAID 10 では、障害が発生した 2 つ目のハード ドライバは、スペア ハード ドライブと同じミラーリングされた組に存在する必要があります。 RAID 6 では、2 つのハード ドライブに障害が発生してもデータは消失しません。

© LaCie 2024 最終更新 : Sep 22, 2014